17冊目:自殺の歴史社会学

・まず日本で年間2万人も自殺者がいるって言う話に素直にびっくりしてしまった。

 

・自殺という言葉についての変遷を、「意思」を軸に整理していく本らしい。歴史の講義みたいになるのかな?

 

・〜1950年まで〜

 

家としては、世間体もあり自殺を隠したい。警察としても無限のリソースを割けないし、家との政治的バトルもある。よって、「厭世自殺」(そいつの意思で死んだ、周りは悪くない)が流行したという側面がある。医療のマンパワーが足りない、当人の成仏という面からも、色々な立場からの都合のいい「落としどころ」だったと言える。

 

・高度経済成長成長以降は社会に余裕が出てきて、自殺をより深く理解できるようになった、って感じ。余剰がないと回せないのはどれも同じか。

 

・「持たざるものがワンチャンスつかめるかも?」という夢を見せる自殺生命保険、というと宝くじみたいだし、たち悪いな(本当は富裕層がより儲かるという構造を再生産しているだけなのに、一見人に夢をみせているぶん言わないより悪い、みたいな)

 

・自由意思で自殺したら自己責任→会社のせいで病気(精神病)になった、というロジックで会社の責任を問うロジックになってるらしい。『人には意思がある』とすると全部自己責任だし、『自殺だけは特別に意思が無い』としても不自然だしで、決まりを作ってる人は大変そう。

 

・自殺は自由意志によるので本人以外の責任は問えない、というのが基本線で、過労については精神障害にさせたという意思の解体が進んだ一方、いじめについては子供自身の責任という見方=意思の非解体が根強い。